断層
地球の表面をつくっている地殻に割れ目ができて割れ目の両側の土地が、それぞれ違った運動をすることを断層運動といいます。
この運動の結果、地層には食い違いができます。これが断層です。
断層面
断層の割れ目には、地盤が滑ったすべり面がみられます。これを断層面といいます。
断層面には、さっこんといわれる、断層運動の方向をあらわす、かすり傷がみらえます。
また、断層面が固い岩石からできている場合にはその面が鏡のようによくすり磨かれていることがあります。
このような面を断層鏡はだと呼んで断層を探すときの手がかりにします。
そのほか、断層面の近くには、岩石が塗り潰されてできた断層粘土や断層角れき(角張った石)などがあります。
これも断層をみつける目安になります。
断層の種類
断暦面は、ふつう傾いている場合が多くみられます。
この断層面に対して、上側にある地盤を上盤、下側にある地盤を下盤といいます。
正断層
上盤が断層面に沿ってずり落ちるような運動によってできた断層を正断層といいます。
正断層は、上地が左右に引っ張られるような力がはたらいてできたものです。
逆断層
上盤が断層面に沿って、押し上げられるような運動によってできた断層を逆断層といいます。
逆断層は、しゅう曲と同じように土地が左右から押し付けられる力がはたらいてできたものです。
逆断層で、断層面の傾斜のゆるやかなものを、とくに、つきあげ断層といいます。
断層面の傾斜がさらにゆるく水平にちかくなったものは、おしかぶせ断層といわれます。
断層と地形
断層運動の結果は、地表面に特徴のある地形としてあらわれます。
断層運動によって、断層面が崖となって地表にあらわれたものを断層崖といいます。
断層崖は、新しい断層では、はっきりしていますが古くなると風化や浸食をうけて不明瞭になってしまいます。
また、断層面と地表面とが交わった線を断層線といいます。
断層線は断層崖が不明瞭になってもはっきり残っている場合が多いので断層の位置を確かめることができます。
我が国では、三重県養老山地の東斜面など、各地で断層崖がみられますがとくに新しいものとしては1891年の濃尾地震のときにできた根尾谷の断層崖が有名です。
断層線は直線的になる場合が多いのですが、ときには円形になりその内側が落ち込んでいることがあります。
このような断層をなべ状陥没とよんでいます。
火山地域には、このような陥没地が少なくありません。
阿蘇山や箱根山の外輪山は、そのよい例として知られています。
断層は、このように地形に深い関係がありますがとくに、両側を断層で区切られてできた高地や低地もあります。
この高地を地塁、低地を地溝といいます。
日本の本州の中央には大地溝帯があり、日本列島を大きく二分しています。
このほかにも小規模な断層による湖はいくつか知られています。